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校正と較正
校正 と 較正 とは
最近「実験に先立って、測定器の狂い・精度を、基準量を用いて正すこと(広辞苑第四版)」の意味の 「こうせい」は
「校正」と表記することが多くなった。
しかし、計測器の業界ではまだまだ「較正」の表現も使用する場合もある。
(実際弊社へ来る見積もり等で「較正」と表記されてくることも少なくない)
ここでふと思い悩んでしまったのが「校正」と「較正」はどう違うのだろうか? との疑問である。
広辞苑によると上記の意味(calibration)は校正・較正ともに併記しているので上記の意味を表すのはどちらでもいいのであろう。
ところが理化学事典第三版(古!)では「校正」のみでcalibrationを説明しており、「較正」の表記はなかった。あれっ?
インターネット辞書(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)では 「校正」は
@出版用語で印刷等の誤りを修正すること(proofreading)
A計測用語で計測器の補正をすること(calibration) の二つの意味があると説明していた(「較正」はなし)
ふざけてインターネットでヒット数を比べてみると(校正にはいろんな意味が含まれるので 測定器校正と測定器較正で比べてみた)
googleだと測定器校正(299,000)と測定器較正(44,200)
Yahoo!だと測定器校正(217,000)と測定器較正(27,500) と圧倒的な差がついた
「測定器 校正」としてもその比率は大きくは変わらなかった
実は私は日本語変換にatokを使用しているのだが、ここで「こうせい」を変換しても「較正」は候補に入っていない。
(それなのに人の名前がやたら多い。不満だ〜!)
IMEにしてみると、、「較正」が候補にある!! (逆に感動しちゃったよ〜)
ねえ、国内メーカーのジャストシステムさん、なんでなの?
今の私の認識では、「校正」と「較正」はどちらでも正しい。
しかし最近では「校正」が一般的になっており「較正」の肩身が狭くなっている。
が、間違ってはいないのだ。もっと使っても良いぐらいであろう。
ここで、ふと思ったのは、どちらでも良ければ淘汰されて使用頻度の少ないものは消え去っていくのか?ということである。
しかし、これでは意味がある漢字がなくなる一方となる。
漢字はできるだけ種類を少なくしましょう(ここでは「校正」に統一)という見解もあろうが、
漢字だけで意味がわかる「較正」は存続してほしい。
そうでないと 「較」の漢字は「比較」でしか使わなくなってしまう。(「くらべる」でも「比べる」が優勢だし、、)
結論として、私個人は何でもかんでもわかりやすい字に統一していきましょうという考え方には反対である。
あくまでどちらでも間違っていないのであれば両方が入力できるようにするのが良いと思うのであるが、どうなのであろう。
そのためにも 「こうせい」と入力すれば候補に「較正」が出てくるようにして下さいね、ジャストシステムさん!!
【追記】2011/06/02
ある方からご指摘を受け、調べてみるとウィキペディアでの記載が変更されていました。
『紛らわしいことであるが、普通、校正といったときには調整を伴わない。法令上は、同音で較正という概念があり、そちらの場合には調整も含むこととなっている。また普段には、この較正を校正と書くこともある。』ということです。 ウィキペディアの定義がすべて正しいのではありませんが、継続的に深く突き詰めていないコラムであったと反省しております。
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