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動作分析をやってみよう
生産工場で、物の流れを中心とした工程分析と、労働者個人の仕事のやり方を中心とした動作分析の講義を受けたことがある。
動作分析については、最初そんな細かいことを調べてどうするのだ、という気持ちがあったがやってみるとなかなか面白いことがある。工場でトランスやチョーク用のコイルを巻く工場で実習をしたとき、同じ材料で同じ道具を使っているのに経験のある班長と経験の浅い人との間にはっきりした違いがあった。
動作分析でもっとも注目し、なくしたり改良しようとする動作は、「さがす」と「はこぶ」である。このときも2人の違いはこれだった。
動作分析は工場の生産現場だけでなく、ほとんどの仕事に適用でき、むだな動作をなくすのに役立つであろう。また、反対に必要なことをやっているかどうかもわかるであろう。例えば、デパートでエレベーターに乗ると運転者前方の上に鏡がついていることの方が多いのがわかる。ドアがしまりかけているときに、急いで入ってくる人がよくいる。運転者からみて、右前方から来る人は見えるが、右後方から来る人はわからない。それを知るため、この鏡はついているとのことである。それで運転者はドアをしめるときは、必ず右上方の鏡を見てからにしなければならない。
私はデパートでエレベーターに乗ったときは、運転者の目はどのように動いているかをみている。この鏡を見る動作は殆ど行われていない。今のエレベーターは、はさまれても痛くないようになっているためか、運転の方法が変わったのか、運転者への教育が悪いのか、仕事に慣れて勝手に動作をはぶいたのか、わからない。
ラーメン、すし等を作るのをみるのは、動作が簡単すぎてあまり面白くない。大事なことは私たちの見る前の工程にあるのではないかと思われる。小さな店で和定食のようなものを注文の度に作るような店で、料理人の動きをみるのは楽しいものであり、その動作、材料や半製品の位置など感心することが多い。
多くの人が動作分析をやってみたらよいと思う。
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